映画「伝説のマエストロたち」

「Cafe de los Maestors (伝説のマエストロたち)」

10 TANGOさんページ「伝説のマエストロたち」

私は、あのCDが発売されてすぐ、当時パーソナリティーをしていた ラジオ番組で数週に分けて紹介しましたが、そのCDの収録風景を撮影したドキュメンタリー映画です。
このCDの中で、私の印象に強く残ったのは、女性歌手ビルヒニア・ルーケさんが歌う「カンシオン・デ・ブエノスアイレス(ブエノスアイレスの歌)」です。ルーケさんもかなりの年齢になられていますが、その迫力たるや、もの凄い!そして、歌い終わって最後の最後に「Si!!!!(英語でいうYes!!)」の掛け声にトドメを刺されました。もちろん、これはラジオ番組「チャオチャオ、リカ」でも紹介しました。映画では、ルーケさんの録音シーンでこのトドメのシーンがバッチリ!まあ、映像を見て納得。とても真似できない迫力です。ブエノスアイレスという独特の地に生まれ、生活し、いろいろな経験をしてタンゴとともに歩んできたあの年齢の人が発する気合いの一発だから、心臓を射抜かれるような思いがするのでしょうか。いやぁ、やられました。

この映画に登場する生きた「伝説のマエストロたち」の中に、すでに 生きていない方も数人おられます。その中には、以前ご紹介しましたオスバルド・レケーナさんもおられます。 映画の中で、レケーナさんの姿が見えた途端に涙が止まりませんでした。彼は、この映画では自分より年上のマエストロをもり立てる役目を果たしていたのですが、それは、まさかこんなに近い将来、自分が先立つなんて思っていないからでしょう。彼も伝説の一人なのに。
映画のエンディングロールの頃には、もう悲恋ものを観たあとのように、涙の洪水。滂沱の涙とはまさにこのこと周囲からは、少々浮いている存在ではありましたが、この映画は、誰よりもタンゴミュージシャンが一番、胸を締め付けられることでしょう。
本当に宝のような映像・音源ばかりです。

考えてみれば、たくさんの「伝説のマエストロたち」と親しくさせていただいています(中には「いました」の方も)。顔を会わせば「いやぁ、元気かい?門奈さんは元気?」と笑顔でマラドーナ監督ばりの抱擁をしてくださるマエストロたち。

(敬称略・順不同)
レオポルド・フェデリコ
フェルナンド・スアレス・パス
エミリオ・バルカルセ
オスバルド・レケーナ(故人)
アニバル・アリアス
マリネーロ・モンテス
カルロス・ガルシア(故人)
カルロス・ラサリ(故人)
ホセ・リベルテーラ(故人)
など

カルロス・ガルシアさんは、アストロリコ結成時に門奈さんが直接、いろいろとコンタクトを取った方で人格者。
アストロリコの初ブエノスアイレス演奏では、ブエノスアイレス市立タンゴオーケストラで当時指揮していたガルシアさんが、オーケストラ全員をステージから降ろしてアストロリコのために、明け渡してくださり、そのうえに、花束まで贈呈してくださいました。
そして、そのコンサートの客席には、何と、あの巨匠レオポルド・フェデリコさんもアストロリコの演奏を聴きに、わざわざ駆けつけてくださっていました。初ブエノスアイレスですぐにフェデリコさんにお目にかかり、「あなたの名前の一部を無断で使ってごめんなさい。」というような内容を伝えたら、ニコニコしながら、「こちらこそ、私の名前を使ってくれて光栄だよ」って応援メッセージもいただき大感激でした。
彼らを見ていると、そんな想い出がたくさん、たくさん蘇ります。
また、録音スタジオとなったイオン・スタジオは、かつて、ピアソラや歌手のゴジェネチェを始め、たくさんのタンゴの名手がレコーディングした場所であり、また、アストロリコもブエノスアイレス録音のCDはすべてイオン・スタジオです。そして、録音エンジニア・マエストロで映画にもいっぱい登場したダ・シルバさんをはじめスタッフの顔ぶれも懐かしい人たちばかりです。もちろん、大浦みずきさんとの録音もあのスタジオ。そして大浦さんが歌う「チェ・タンゴ・チェ」に感動して「ブエノスアイレスのみんなに聴かせてやりたいよ」とおっしゃったのは、ダ・シルバさん。
考えてみれば、あのスタジオでオルケスタ アストロリコが録音中に、アストロリコの録音の進み具合を気にして陣中見舞いに来てくださったモンテスさんが、別の部屋で調整中のレケーナさんを紹介してくださったのでした。あのとき、私たちは製品になる前の最終段階のレケーナさんの新しいCDをたっぷりとスタジオの大きなスピーカーで聴かせてもらいました。
映画の中でマエストロの演奏が終わると、映画なのにライブみたいは気分になって思わず拍手!
そうだ、言葉は通じないけど、久しぶりにモンテスさんに電話してみよう、、ってそんな気になりました。何と言っても、モンテスさんは、私のブエノスアイレス初訪問で「ト・モ・ダチィ」になったマエストロですから。
モンテスさんと門奈さん写真は、映画でも登場した「モンテス&アリアスDuo」の日本公演でアストロリコが共演したときのリハーサルで。トモダチィならではの両国「伝説のマエストロ」の表情が大好きです。

それにしてもよくぞ、こんな映像を残してくれたとつくづく感謝。そして、日本の「伝説のマエストロ」門奈さんにも、深く感謝です。
みなさん、上映の映画館では日本語のスーパーも出ていますので、マエストロ達の貴重な、そしてお茶目な発言もお楽しみください。


アルベアール縮小写真は、ブエノスアイレス市立タンゴオーケストラコンサート終了後、カーテンコールで再びステージに呼び出されたときのスナップ。故ガルシアさんの姿も。(1994年初ブエノスアイレス・アルベアール劇場にて)
一番左端は、マエストロ ラウル・ガレーロ。司会してくださったオスカル・デ・ブリオーレ氏も拍手中。

余談追記:エミリオ・バルカルセさんのシーンで、当時エスクエラ・デ・タンゴで勉強していた姪の友姫胡の姿が!自分の姿が映っていることに、友姫胡本人が一番びっくりしていました。「そういえば、何かしらないけど撮影してはるなぁ~」とは思っていたそうです。
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コメント

観たい

はじめまして,梨華さん。私は京都6の晩年の頃からの門奈さんのファンで,たぶん利華さんの演奏もコンサートで聴いてるはずです(すみません,バイオリニストの名前はよく覚えてないんです)。

現在はニュージーランド在住でタンゴのコンサートには無縁になってしまいました。たまに日本に行った時に手に入れるCDがその替わりです。アストロリコのも1枚だけですが持ってますよ。

「伝説の・・・」のWeb page で予告編を見ました。本編を是非観たいです。出てる人の名前を見ただけでワクワクします。

Tetsu さん へ

はじめまして!
コメントをありがとうございます。
京都セイス!!なんと懐かしい響きでしょう。私が、まだタカラヅカ歌劇団で演奏していたころに門奈さんが率いる京都セイスに参加させていただいていました。しかも、京都セイス活動の最後の2年ほどです。バッチリ、その頃ですね!
ニュージーランドは、とても自然が豊かで、しかも大陸の荒涼した感じよりも日本に雰囲気が共通する島、というイメージがあります。
行ったことはないですが、とっても素敵なところだろうなっと想像します。
「伝説のマエストロたち」、原語のみですがDVDが出ていますよ。また、DVDでは、フル演奏は聴けませんので、CDも2枚組で出ています。ニュージーランドからの入手方法はわかりませんけど。。。
私は、日本で輸入されたものを購入しました。発売(2008年末頃?)されてすぐにDVDも観たのですが、その後、映像の中のマエストロでまた物故者が・・・そして、小さい画面では、なかなか伝わらないものでなぁっと映画館で観て、感動を新たにしました。
ご覧になったら、きっとTetsuさんも滂沱の涙、間違いなしです!どこかで、ご観になるチャンスがあるといいですね。

また、帰国された際に、アストロリコのコンサートやライブのスケジュールがありましたら、お目にかかれるとうれしいです!
今後とも、よろしくお願い申し上げます。

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