「昭和の日」の出会い

そうだ、京都の護国神社、霊山観音のあたりに行こう! と思い立ち家族を誘ってバスに乗った。
たまたま父の側にいた老人が「霊山観音に行きたいのだけど、どこで降りたらいいのか?」と尋ねた時から「袖振り合うも多生の縁」が始まった。私達も行くので、一緒に行きましょう、ということになり道中、その老人が第二次世界大戦中イラワジ川も渡ってビルマ戦線でも戦った元陸軍の軍曹さんだったこと、90歳になったので今年が最後のつもりで慰霊祭に参加するために東京から5時起きで京都に来たこと、などなどお話を伺った。ガダルカナルで戦死した私の大叔父と同じ大正7年生まれ。これは11時からだという慰霊祭に無事にお連れしないわけにはいかない!っと単純な観光気分に使命感が加わった。
90歳というのに、重い荷物を絶対に私に持たせずご自分の手にギュッと固く握りしめ、バスのステップから路肩の分離帯(10㎝ほどしかない幅)にひょいっと飛び乗ってしまう足取り。もう、参りました。
今まで、慰霊祭でお会いした90歳くらいの戦友の皆さんに共通したこと。
それは、自分の荷物をしっかりご自分で持ち、極力介助を辞退される気っ風。単純な表現ですが、「昔の人はエライ!」
ふと時計を見ると10時50分!霊山観音、護国神社への参道の長い急な坂道をいくらお元気といっても歩調のスピードには限界があるうえ、慰霊祭がどこで行われているかわからないので、間違ったところにお連れしては取り返しがつかない不安にかられたとき、姉が木立のわずかな隙間からインド・ビルマ(現在のミャンマー)の旗の色合いを見つけて立ち止まった。すぐに元軍曹さんは、木々の間からそこに集まっていた人に声をかけ「60聯隊ですか?」と確認し、ついに目的地を発見した。ところがすでに長い急勾配の坂道を半分ほど上っていて、そこを転ばないように慎重に、かつ急いで下り、入り口を見つけるのにまた一苦労し、やっと慰霊祭の受付にたどり着くと、そこに懐かしい戦友の顔が!11時ジャストに到着し、目的地に無事にお連れできてほっとした。袖振り合うも・・・そうだ、大叔父達がいる護国神社でもきっと誰かがこうやって慰霊祭をしてくれているのだから、ここでご一緒させてもらおうと家族みんな相談もせずに自然にそのまま歩兵第60聯隊の慰霊祭に参加させていただいた。「海ゆかば」をみんなで歌ったあと、今年一年の物故者を読み上げ、戦友のもとに旅立たれた報告や、読経してくださったお坊さんがハーモニカで「故郷」「仰げば尊し」を演奏してくださった。鳥の囀りと新緑に晴天が美しく、きっと故郷を遠く離れた戦地の束の間の静けさにこんなハーモニカの音色を聴いたかもしれない、と想像にふけりながら涙した。予科練だった父が偶然座った背後には、父の先輩にあたる予科練18期405名の慰霊碑が!

袖振り合うも多生の縁

あのとき、あのご老人は沢山いた人の中からなぜ父に声をかけたのだろう。「あなた達に会っていなければ、間に合わなかった」とおっしゃるご老人。でも、私たちも貴方様に声をかけていただかなかったら慰霊祭で感謝を申し上げることができませんでした。先日、姉と「セレンディピティ」について話をしていたところでしたが、大きな解釈ではこれもセレンディピティ?私はそれ以上に英霊の引き合わせを感じますけど。

霊山観音
http://www.asahi-net.or.jp/~UN3K-MN/0815-2ryouzan.htm

坂本龍馬や中岡慎太郎など維新の志士コーナーは次回に訪れることにして、午後は武徳殿で開催されていた古武道の真剣演武を拝見。日本の伝統に触れた一日でした。フランスからの参加者の胴着には「武田流」と刺繍が!ダルタニャンでなく、なんでサムライに興味を持ったか、聞きたかったけど外野の私は大人しく見学することにしました。キティちゃん
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080429-00000038-kyt-l26

そして、この日の締めくくりは、これも偶然に行った家電量販店のテレビ売り場でのこと。BS放送の同じ画面がいくつも並んでいた。番組は、現在の小野田寛郎さんのインタビュー。(あとで調べたらBSハイビジョン特集「生き抜く~小野田寛郎」だった)ルバング島での出来事など当時の映像や写真も交えての内容。店内は大音量でBGMがかかり、テレビの音声は切ってあったけれども、聴覚障害者用の文字が出ていたので内容はよくわかった。小野田さんの一言、一言に引きつけられ、気がつくと1時間、立ったままで涙を流しながらテレビ売り場にいた。

朝の出会いから始まって、古武道で日本の伝統を感じ、締めくくりは小野田さんの言葉。
まさに私流で「昭和の日」を過ごした一日。いろいろと感じ、考える日だった。
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コメント

いつも見てます

よく遊びに来ます。継続して日記感服します。僕も頑張ります。もう寒くなってきたので風邪などに気をつけて下さい。また遊びに来ます。

アキオ さん へ

応援メッセージをありがとうございます。
忙しさにまぎれて、なかなか更新できない状況です。
本当は、書きたいことがいっぱいあるというのに・・・
ところで、たいへん失礼をお許しいただきたいのですが、
「アキオ」さんとは、お目にかかったことがありますでしょうか?
もし、差し障りがあるようでしたら非公開でのメッセージでも結構です。
拙ブログを応援していただき、うれしいです。
近々、DD公演(11月3日~9日)もアップしようと思いますので、
今後とも、よろしくお願い申し上げます。

いつき。

ricaさん。心の奥で考えてることに答えをいただけたような一日でしたね。
今朝の新聞連載いつきひろゆき、『親鸞』は、はんねん(のちのしんらん)が夢で聖徳太子にここへこいといわれ、それがどこかわかるという話。六角堂でした。

いつき、斎もいつき、五木は斎宮と通じてました。たいへん詳しく修行のことも調べて書かれています。
時々しか読まないけど、長い連載小説を書いている孤独なものかきのこころをおもうと、なんだか崇高な思いにうたれる。

りかさんもがんばってください。
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